こんにちは!大学病院勤務10年目の看護師たま子(@kangoshi_tamako)です。
「あー毎日サービス残業が多くてしんどい〜!」
「いつ何が起こるかわからない状況が精神的に辛い…。」
総合病院の病棟で働いている看護師さんはそう思っている方も多いのではないでしょうか?
そんな方は「小規模多機能居宅介護事業所」への転職を考えてみてもいいかもしれません。
小規模多機能居宅介護事業所は病棟の勤務と比べると時間の流れもゆったりしており、緊張感も少ない職場です。
私の妹は昨年、大病院の病棟看護師から小規模多機能居宅介護事業所の看護師に転職をしました。
するとここだけの話、精神的にも身体的にもとても楽になったそうです!
今回は私の妹の小規模多機能事業所への転職体験談をインタビューしてみました。
たま子
きっと「看護師にもこんな働き方あるんだ〜!」と思うはず!是非今回の記事をご覧になってみてくださいね。
小規模多機能居宅介護事業所とは
小規模多機能居宅介護事業所は「通い」「宿泊」「訪問」など様々な利用形態に対応している施設を差します。
小規模多機能型居宅介護は、利用者が可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、利用者の選択に応じて、施設への「通い」を中心として、短期間の「宿泊」や利用者の自宅への「訪問」を組合せ、家庭的な環境と地域住民との交流の下で日常生活上の支援や機能訓練を行います。
登録は一事業所あたり29名以下と名前と通り「小規模」な施設です。
小規模多機能居宅介護事業所の定員(1日あたり)
- 一事業所あたり登録:29名
- 通い:15名以下
- 宿泊:9名以下
看護師は利用者さんのバイタルサイン測定・日常生活の支援・機能訓練などを行います。
利用者さんは基本的には健康状態に問題の無い方を対象としていますので、事業所内に医師はいません。
そのため、
通常の勤務で看護師が医療行為を行う事はありません。
たま子
小規模多機能居宅介護事業所での看護師の仕事
実際に総合病院から看護師として転職した私の妹に小規模多機能事業所の仕事の様子を色々と聞いてみました。
小規模多機能居宅介護事業所での1日の流れ
9:00
出勤後ミーテング(夜勤者からの申し送り、利用者さんの病院の受診があるかどうかなど)
朝食後のうがい手洗いの介助
9:30
コーヒータイム
10:30
ラジオ体操・ダンス(利用者のADLのレベルに合わせて、座ってできるダンスも)
利用者さんは午前中はずっと運動や体操の時間(参加は個人の自由で体調に合わせて行う)
看護師や介護士はその間にトイレ介助や不穏患者の記録や対応、利用者の送迎、利用者さんの衣類の洗濯、トイレ掃除
12:00
昼食の介助や服薬介助
13:30
レクリエーション
・風船バレー
・ボーリングゲーム
・おやつ作り
・ビデオ鑑賞
・散歩
15:00
おやつ
18:00
利用者の送迎
小規模多機能居宅介護事業所での具体的な仕事内容
お風呂介助
2日に1回、宿泊利用者さんのお風呂の介助を行う
料理
料理の献立決定から食材購入、調理まで全て職員が行う
リハビリ
リハビリの先生が週に1回訪問して利用者さんのリハビリを行う
その時の先生のリハビリの内容をメモに書き留めて、先生がいない間は職員がリハビリを行う
頭の運動
利用者さんと一緒に教材を使って簡単な読み書きなどをする
看護師としての仕事はあるの?
小規模多機能事業所での仕事の様子を聞いてみると。ほとんどが日常生活上の介助が中心の仕事でした。
たま子
新人看護師
事業所にも色々あるとは思いますが、妹が働いていた小規模多機能居宅介護事業所では看護師が区別して行なっていた仕事は2つだったそうです。
小規模多機居宅介護事業所で看護師しかできない事
- 内服薬の配薬(投薬は看護師でなくてもOK)
- 病気の利用者さんがいた場合は付き添いで病院の受診をする
その他の看護師としての仕事は、介護士などのスタッフから、利用者さんの体調不良や傷の処置に関してなどわからない事の相談に乗るくらいです。
え…なにそれ…楽すぎ!?(たま子心の声)
新人看護師
たま子
小規模多機能居宅介護事業所に転職したメリット
妹は総合病院から小規模多機能居宅介護事業所に転職してかなり楽になったようです。
小規模多機能居宅介護事業所に転職してみて良かったと感じた点をまとめてみました。
夜勤がなくなった
妹は小規模多機能居宅介護事業所に転職して…
新人看護師
と言っていました。
小規模多機能居宅介護事業所でも宿泊の利用者さんがいるので夜勤のシフトもありますが、
妹は日勤のみを希望したので、夜勤をする事はなくなりました。
夜勤は看護師の人数が少なくなる上に日勤よりも更に加重労働となるため看護師にとって大きなストレスとなります。
夜勤がしんどいから仕事辞めたいという看護師もたくさんいますよね。
新人看護師
時間外労働がない
体操やレクリエーションなどいつもだいたい同じ内容の仕事をして、1日が終わって行くので時間外労働がなく、定時に帰る事ができます。
病棟勤務で看護師として働いていると、予定は組んでいても絶対に思い通りに進みませんよね…。
自分がいくら頑張って時間内に終わらせようと思っても残業を強いられる事も多々あります。
<病棟看護師の残業決定事項>
- 手術の終了時間が予定より遅くなって勤務ギリギリに戻ってくる
- 予定になかったICが入って急に同席しないといけなくなる
- 治療の副作用が予想以上に強く追加で処置が必要になる
小規模多機能居宅介護事業所ではほぼ想定外の出来事が起こりません!
小規模多機能居宅介護事業所では予期せぬ事態が起こらないので、いつも定時に帰る事ができます。
プライベートが充実するようになりました!
新人看護師
始業開始前のサービス労働がない
病棟看護師の始業前の情報収集ってサービス労働ですよね…。
私が病棟で働いていた頃は始業開始30分ほど前、早い時は1時間ほど前から出勤し情報収集をしていました。
当たり前の様にみんな早く来て情報収集をしますが、残念ながらこの行為に時間外手当がつく事がありません。
始業開始前のサービス労働だけでも、1ヶ月毎日30分早く出勤していたとすれば、30分×30=15時間…1ヶ月で15時間の時間外労働をしている事になります。
小規模多居宅介護事業所では始業前のサービス労働がありません!
たっぷり眠れるし朝がゆっくりできるようになりました!
新人看護師
医療行為がない
注射が苦手…点滴が苦手…医療行為が緊張する…
病棟看護師をしているとそんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか?
でも、看護師でも医療行為をする必要がない職場もあるんですよ!
はじめにも書きましたが、小規模多機能居宅介護事業所の利用者さんは基本的には健康状態に問題の無い方を対象としており、事業所内に医師はいません。
そのため、
看護師が通常の勤務で医療行為を行う事はありません。
病棟勤務の時は医療行為をするたびにドキドキして不安になる事も多かったですが、
転職してからは医療行為がなくなったので気持ちが楽になりました!
新人看護師
予期せぬ事が起こらない
看護師にとって恐ろしいのは「患者さんの急変」。
想定外の出来事に対応するという事は緊張感が強く精神的なストレスが大きいですよね。
小規模多機能居宅介護事業所の利用者さんは高齢の方なので何らかの持病があったり、既往歴があったりする方がほとんどではありますが、
基本的にみなさん健康状態に問題の無い方です。
病院とは違って病気で入院しているわけではないので…
治療も行いませんし、容態の急変などもほとんどありません。
精神的にとても楽になりました!
新人看護師
小規模多居宅介護事業所への転職で給料はどのくらい変わった?
たま子
給料はやっぱり結構下がったの?
新人看護師
妹の総合病院で働いていた頃の給料と小規模多機能居宅介護事業所でも給料を比較してみました。
- 総合病院病棟勤務:手取り21万円
- 小規模多機能居宅介護事業所勤務:手取り18万円
小規模多機能に転職して実際約3万円給料は低くなっています。
しかし、総合病院勤務の頃と比べると夜勤がなくなったので、給料が下がる事は必然ですよね。
看護師の夜勤手当は2交代勤務で考えて1回約1万円です。
1ヶ月に平均4回ほどの夜勤があると考えて1ヶ月の夜勤手当は4万円。
それを過去の総合病院勤務の頃の給料から引くと約17万円になります。
つまり、夜勤なしの勤務を比較してみると総合病院勤務夜勤なし約17万円、小規模多機能勤務夜勤なし約18万円という事になり…
夜勤なしの条件で考えると小規模多機能居宅介護事業所の給料の方が1万円高いんです!
たま子
めっちゃいい転職ができて良かったね!
新人看護師
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妹は看護師転職サイトを上手に利用して小規模多機能型居宅介護事業所に転職しました。
私も転職サイトを使用してパート看護師に転職しましたがとても便利でお得なサービスでした。
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新人看護師
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小規模多機能居宅介護事業所に転職したデメリット
病棟勤務と比べるとアバウトでカルチャーショック
大病院の病棟勤務は決まりが厳しいですよね。
「麻薬を何時何分から投与したか記録が抜けてるよ!」
「この皮膚の損傷、この前夜勤した時からあった!?」
など何時何分から開始したか、いつから存在していたかなどを把握しておくことは大切です。
でも小規模多機能居宅介護事業所はそれと比べて決まりがアバウトでした。
▼小規模多機能居宅介護事業所がアバウトだと感じた点
- 通所の利用者さんがバイタルサインを測定せずに帰宅してしまう事がある
- 傷や異変が起こった時も記録をせずに放置している事が多くいつからそれがあるのか起きたのかわからない
- 担当の患者さんがいないので責任の所在が曖昧
小規模多機能居宅介護事業所は大病院と比べると…
色々とアバウトな事が多く看護師として勤務してみて驚くことが多かった様です。
新人看護師
たま子
仕事に対するモチベーションの維持が難しい
小規模多機能居宅介護事業所では病棟勤務とは違ってその日の担当の患者さんもいませんし、絶対しないといけない治療や検査、処置や手術などもありません。
なので、職員が手を抜こうと思えばいくらでも手を抜く事ができます。
仕事に対するモチベーションの低い人と一緒に仕事をする事になれば、そのしわ寄せの分自分にかかってくる負担が大きくなります。
逆に、慣れてしまうと自分自身が気持ちの緩みから「適当に働く看護師」になってしまうという可能性もあります。
やるべき事が明確に決まっていない分自分自身で仕事に対するモチベーションを維持していく事が必要です。
人によって仕事に対する熱量の落差が大きかったです。
新人看護師
たま子
小規模多機能居宅介護事業所がむいている看護師は?
実際に小規模多機能居宅介護事業所に看護師として転職してみた妹に、
どんな看護師が小規模多機能居宅介護事業所で働く事にむいているかを聞きました。
小さい子供がいる
新人看護師
時間外労働ががほとんどなく精神的な負担も少ないので、「小さい子供がいる看護師」には小規模多機能居宅介護事業所はおすすめです。
小規模多機能事業所に転職した頃、妹には子供がいませんでしたが、子育てをしながら働いている看護師もいてとても働きやすそうにしていたという事でした。
朝もゆっくりできるので子供を急かす必要もないし、時間外がなく早く帰れるので子供との時間も多くとれます。
たま子
▼子育てしやすい職場は他にもあります
自分で考えて料理やイベントを考案したい
いろんな事を職員が企画・考案して実行します!
新人看護師
小規模多機能居宅介護事業所では職員自身が色々な事を企画・考案します。
看護師として関わる事は少ないですが
「利用者さんはどんな事をすると喜んでくれるかな?」
「どんな内容の料理なら食べてくれるかな?」
と、自分の考えた企画やイベントで利用者さんが楽しんで生活できるお手伝いをする事ができるのです。
病院で働いていると、病院の外に出る事はほとんどありませんし、縛りや規則が厳しです。
患者さんのためにやりたい事があっても師長の許可を得て、看護部長の許可を得て…と関所をいくつも突破しないといけません。
たま子
利用者さん一人一人と深く関わりたい
新人看護師
小規模多機能居宅介護事業所では時間に余裕がある分一人一人の患者さんと深く関わる事ができます。
注射をしたり、治療の介助をしたりと看護師としての資格を活かせる様な場面はあまりないかもしれませんが、看護者として患者さんに寄り添い、生活をより向上させるお手伝いをするというまた別の責務を果たす事ができます。
病棟では日々の業務が煩雑になりがちで時間に余裕がないため、患者さんとの関係が希薄になりがちですよね。
たま子
小規模多機能居宅介護事業所はやりがいがない?
新人看護師
私の妹は看護師の資格を持っているからできる事があまりないので「小規模多機能居宅介護事業所の仕事は看護師としてのやりがいをあまり感じない」と思ったようです。
その反面、小規模多機能居宅介護事業所の仕事にやりがいを感じている看護師もいます。
私の知り合いに長く総合病院で働き師長も務めていたバリバリの看護師さんがいらっしゃいました。
その看護師さんは「地域で過ごす高齢者の生活を改善したい」と小規模多機能居宅介護事業所を自ら設立したのです。
現在私の祖母がその小規模多機能居宅介護事業所でお世話になっています。
家にこもりきりで足腰が弱っていく一方だった祖母が活動的で前向きになる事が出来ましたし、家族としても介護が必要な祖母を一時的に預かってもらえるので生活が楽になりとても助かっています。
経験や専門的な知識のある看護師さんがいるから利用者さんや家族も安心して身をまかせる事ができるのです。
そのそも看護師としてのやりがいとは一体どんなものなのでしょうか?
- バリバリと看護技術を駆使して患者さんの病気を少しでもよくする事なのか?
- 患者さんの生活に寄り添いADLを引き上げていく事なのか?
「看護師としてのやりがい」を感じるポイントはそれぞれです。
「小規模多機能居宅介護事業所が看護師としてのやりがいを感じない」とは一概に言い切れません。
病棟の看護師をしていると日々、医師から出た指示やその日必要な治療の介助などやるべき事が山積みでなかなか患者さん一人一人とゆっくり向き合う時間がありません。
病棟勤務で心身疲れきった看護師さんは、小規模多機能居宅介護事業所に転職してゆっくりじっくりと利用者さんと関わっていくのも一つの手です。
たま子
まとめ
妹が小規模多機能居宅介護事業所に転職して感じたメリットをまとめました!
- 夜勤がなくなった
- 時間外労働が少ない
- 始業前のサービス労働がない
- 医療行為がない
- 予期せぬ事が起こらない
忙しく精神的な負担の大きい病棟勤務に疲れた看護師さんは小規模多機能居宅介護事業所に転職してゆったりと自分のペースで仕事をしてもいいかもしれませんね。
あなたが自分に合った働き方を見つけられる事を願っています!
たま子
今回の記事が小規模多機能居宅介護事業所へ転職をお考えの看護師さんのお役に立てれば幸いです。
最後まで読んで頂き本当にありがとうございました!
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