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正しい麻薬管理の方法が知りたい!
新人看護師
こんにちは!看護師歴10年目のたま子(@kangoshi_tamako)です!
麻薬と言ったら一般的には犯罪のイメージが強いですが、看護師にとっての麻薬は、痛みのある患者さんに使用する大切な薬剤ですよね。
麻薬は有効な薬剤である反面、看護師として取り扱いには注意しないといけません。
今回は看護師が麻薬管理する上で重要な事について考えていきます。
麻薬はちょっとこぼしてしまっただけでも病棟が大騒ぎです。
もちろん理由は知っていますよね…?
今回は看護師の麻薬管理についてと、よく起こる麻薬関係のインシデントについてまとめてみました。
たま子
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麻薬はどうして特別扱いなのか
病院で管理する麻薬は普通の薬剤とは違って金庫の中に保管されているはずです。
そもそもどうしてその必要性があるのでしょうか?
麻薬の取り扱いは「麻薬取締法」という法律の下に規制されています。
医療用麻薬は癌性疼痛の緩和や鎮咳など治療薬として重要な医薬品です。
その反面、強い依存性があり、乱用による中毒症状や禁断症状を起こす事があり社会的にも大きな弊害をもたらす危険性があります。
たま子
麻薬の取り扱い方法
医療用麻薬の使用は「麻薬取締法」の下様々な規制がありますが…
たま子
麻薬の保管・管理
麻薬は鍵付きの金庫の中に保管する必要があります。
また、麻薬管理簿などと一緒に保管し、受領日・薬品名・規格・薬剤の種類などを明記して紛失や盗難がないように厳重に注意します。
看護記録への記載
麻薬を使用した際はきちんと看護記録へ記載するようにしましょう。
必ず各勤務帯での記録が必要です。
- 「フェンタニル〇〇ml/hで24時間継続投与中」
- 「10時 リン酸コデイン錠◯mg1T」
病院によって書き方はあるかもしれませんが、カルテへの記載方法はこんな感じでしょうか。
その他にも端末での実施登録、麻薬注射液使用表など病院によって色々あるかと思いますので各病院の決まりに沿って投与・与薬を行うようにしましょう。
麻薬の返却・中止
普通の薬液は余った場合病棟で破棄する事ができますが、麻薬は法律で決められており破棄する事はできません。
余った場合は、薬剤部に返却する必要があります。
また、余った分だけではなく使用済みの空アンプルも薬剤部に返却しましょう。
デュロテップパッチやフェンタニルパッチなどの貼付式の麻薬も使用後にはきちんと手順を踏んで返却する必要があります。
麻薬使用時によく起こるインシデント
次に私が実際に経験した病棟で起こった麻薬に関するインシデントを紹介します。
- 麻薬が金庫にある事をすっかり忘れており所定の時間に投与する事ができなかった
- 金庫にしまってある麻薬を取り出して患者さんの病室に向かったが途中でナースコールが鳴り対応しているうちにどこに置いたかわからなくなり紛失してしまった
- シリンジで持続投与している患者さんの麻薬の三方活栓が閉じたままになっており、投与されるはずの薬剤が投与されていなかった
- 麻薬貼用薬が知らない間に剥がれてしまい、かつ紛失してしまった
- PCAポンプを外して薬剤部に返納する時にうまく中身が閉鎖できておらず漏れていた
- 麻薬の投与を開始した患者さんに転倒・転落インシデントが発生した
今までに以上のようなインシデントの発生を見てきました。
そのインシデントを要望するためには一体どうすれば良いのでしょうか?
麻薬使用時のインシデント予防策
麻薬の投与を管理している患者さんはしっかりメモ
所定の時間に投与する事ができなかったよ〜!
新人看護師
麻薬があるという事を覚えておくためにはまずワークシートの書き方を工夫しましょう。
「【看護師】ワークシートの書き方と業務調整の3つのステップ」という記事でもご紹介しましたが、赤字など色を区別して目立つように記入すると抜けにくいです。
- 例) 19時 デュロテップパッチ○mg○枚交換(左胸)
忘れないためにタイマーをつけておくのも有効です。
麻薬は普通の薬剤と違って金庫に入っており、目のつきにくいところにあります。
大事な薬剤なのに忘れやすいのも事実です。
忘れやすいという事を念頭に置いて、抜かさないように気をつけましょう。
麻薬を病室まで持っていく際はトレイに入れる
新人看護師
あなたはそんな経験はありませんか?
麻薬は通常金庫に入っており、使用する分だけを持ち出して患者さんの病室に持っていくことが多いです。
点滴だとわかりやすいですが、内服薬だと小さい分無くしやすいんですよね。
病室に持っていく間に無くしてしまわないように…
麻薬はきちんとトレイに入れて持ち歩くようにしましょう。
麻薬を使用する患者さんの病室に行くまでに、スタッフや患者さんから話かけられる場合だってあります考えられます。
手に1錠だけ握りしめて歩くなんてもってのほかです!
たま子
また、こんな経験もありませんか?
新人看護師
麻薬を万一こぼしてしまった場合はそのままではいけません。
こぼしてしまったら全て回収する必要があります。
たま子
シリンジポンプでの麻薬使用は必ずダブルチェック
「シリンジで持続投与している患者さんの麻薬の三方活栓が閉じたままになっており、投与されるはずの薬剤が投与されていなかった」
シリンジポンプでの薬剤の投与はごく微量ずつである事が多く、三方活栓を閉じたままでもすぐにはアラームがならない事も多いです。
気付いた時には1時間投与してない時間があった…なんて事にもなりかねません。
点滴の挿入部から順番に辿って確認…はもちろんですが人なのでミスを起こす可能性は捨てきれません。
ミスを予防するためにも必ず他のスタッフにダブルチェックしてもらいましょう。
たま子
貼用麻薬の場合は誤って剥がれないように予防策をとる
フェンタニルパッチやデュロテップパッチなどの貼用麻薬は皮膚に貼付して3日毎に一回などのペースで交換するのが主流です。
認知症やせん妄などの患者さんは気をつけなければならないのはもちろんですが、
問題ない患者さんでも寝ているうちに無意識のうちにはいでしまったり、汗で剥がれてしまうという可能性も考えられます。
誤って剥がれてしまわないように予防策をとるようにしましょう。
- テガダームなどのドレッシング材で上から保護するようにしましょう。
- 手の届かないような背面などに貼用する
- 貼用したパッチに、投与日・交換びなどを記載する(9月26日19時〜など)
という方法がインシデント回避に効果的です。
たま子
PCAポンプを外す際はしっかりと閉鎖
PCAはPatient Controlled Analgesiaの略で、自己調節鎮痛法と呼ばれています。
従来は術後や癌による疼痛が発生した場合に、医師や看護師が不在の時でも患者さん自身が押して疼痛を緩和する事ができるという方法です。
大きな手術後は硬膜外チューブが挿入されフェンタニルなどの麻薬が持続投与ている事が多く、PCAポンプを利用して患者さんが自分でプッシュする事ですぐに疼痛を緩和できるようになっています。
術後しばらく経過して疼痛が緩和してくればPCAポンプを抜去しますが、その時にクランプの方法が甘くて気づいたら薬液が流れ出していた…というミスも多いです。
硬膜外チューブ抜去後にPCAポンプの残量が残っていれば薬剤部に返却する必要がありますが、中身の麻薬が漏れないようにしっかりとクランプしましょう。
たま子
麻薬使用時は転倒転落にも注意
「麻薬取締法」からはちょっとずれてしまいますが、麻薬を取り扱う上で切って切り離せないのが「転倒・転落」インシデントとの関係です。
「麻薬を開始した日にせん妄が起こり、足腰のしっかりした患者さんだったのに転倒してしまった」
「麻薬を普段から常用している患者さんが、麻薬の量を増量した日に足がもつれて転倒してしまった」
と、いう転倒・転落インシデントはよくある話。
<こんな時は転倒転落インシデント発生に注意!>
- 麻薬を開始した日
- 麻薬を増量した日
- 麻薬を中止した日
また、大きい病院だと緩和ケアチームなど麻薬使用の専門のチームがいるはずです。
たま子
麻薬を紛失・破損した場合はどうすればいいの?
気をつけていても、ミスは起こります。
麻薬を紛失・破損してしまった場合はどうすれば良いのでしょうか?
まずはリーダー・病棟師長など直属の上司にその状況を詳細に報告します。
そして、事実関係を調査・確認した後に速やかに都道府県に「麻薬事故届」を提出しなければなりません。
たま子
とにかく麻薬使用の際には注意する!
予防策を書いてきましたが…
とにかく「麻薬注意の際は慎重に!」これにつきます!
予防策を取っていても
「うっかりこぼしてしまった」
「うっかり落としてしまった」
が起こればもともこもありません。
たま子
麻薬管理の注意点まとめ
看護師が麻薬を取り扱う際の注意点
- 麻薬は金庫に入っており忘れやすい事を意識しておく
- 麻薬貼用薬の場合はしっかりと紛失予防を
- 麻薬をシリンジで持続投与する場合はダブルチェック
- PCAポンプ抜去の場合は薬液漏れに注意
麻薬管理は超重要なお薬!
気をつける事は書き出すときりがないですが、今回は要点を絞ってこの辺で…。
とにかく…
たま子
日々のお仕事お疲れの看護師さんへ
看護師でも《医療行為なしの職場》があるのをご存知ですか?↓
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