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看護師が行うエンゼルケア(死後処置)手順や注意点を解説

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エンゼルケアなんて久しぶり〜!

 

用意するのはエンゼルセットと…あれ?何用意すればいいんだっけ?

新人看護師

今回の記事では現役看護師が《エンゼルケア(死後の処置)の手順や注意点》について解説いたします!

こんにちは!看護師歴10年目のたま子(@kangoshi_tamako)です!

たまにしか患者さんが亡くならないような病院や病棟はいざ「エンゼルケア」をするとなると焦ったり戸惑う事はありませんか?

でも今回の記事を見て頂ければ大丈夫!

あなたも失敗のないエンゼルケアができる様になりますよ!

患者さんを気持ちよくお見送りできるようにしっかりとエンゼルケアの手順や注意点を復習しておきましょう。

たま子

エンゼルケアを不安に思っている看護師さんは是非今回の記事をご覧になってみてくださいね。

エンゼルケア(死後処置)とは

エンゼルケアは患者が亡くなった後に行う死後処置のことを言います。

尊重と哀悼の意を込めてエンゼルケアを行い、患者さんを人生の最後にふさわしい装いに整えます。

エンゼルケアでは患者だけではなく家族に対する細やかな対応も必要になるので…

きちんと手順を把握して落ち着いた対応をとる事が大切です。

たま子

では、実際のエンゼルケアを手順に沿って確認していきましょう!

エンゼルケアの必要物品

エンゼルケアの準備物品

  • エンゼルセット
  • 非滅菌手袋
  • エプロン
  • マスク
  • 専用洗面器
  • タオル2〜3枚(患者家族に捨てても良いタオルを用意してもらう)
  • 石鹸
  • 陰部洗浄ボトル
  • ゴミ袋
  • 変えのシーツや防水シーツ
  • 髭剃り寝衣
  • 紙おむつ
  • 化粧道具

【必要時】鑷子・テープ類・ガーゼ・包帯・化粧道具・髭剃り

注意
エンゼルケアを行う際は専用の洗面器を使用したり、タオルは本人のものを使ったりと通常の業務で使うものとは区別するようにします。

エンゼルケアの手順

不要な物品の除去

死亡宣告後は医療器具モニターの電極や点滴のルートなど患者に装着している機器やチューブ類を外します。

バルンカテーテルやドレーン、NGチューブなど抜去の際に汚染を伴うようなもの、抜去後は速やかに詰め物などの処置をする必要があるものは後でゆっくりと行うようにしましょう。

不要な物品を除去し、ベッド周りの片付けたら、家族とのお別れの場を提供するため、看護師は一時病室を退室します。

エンゼルケアの準備を行う

家族と患者がお別れをしている間にエンゼルケアの必要物品を準備します。

ある程度お別れの時間を設け、ワゴンに必要物品を乗せて時間を見計らい訪室します。

エンゼルケア開始前に、家族にエンゼルケアを一緒に行うかどうか確認し、希望がなければ、着替え・タオル・化粧道具など必要な物品を預かり、家族を病室外と待機場所へ案内しましょう。

エンゼルケアを行う際は患者(死者)に感染症がなくても分泌物の飛散の恐れがあるためガウン・非滅菌手袋・マスクを着用するようにしましょう。

カテーテル類の抜去や創部処置

次にカテーテル類の抜去や創部処置を行います。

バルンカテーテルや点滴ルートなど看護師だけで行なっていいものもありますが…

ドレーンや創部などがある場合は医師に立ち会ってもらい、抜去や創部縫合をしてもらうようにしましょう。

胃・腸・膀胱内の内容物を出す

オムツや横シーツを敷き、周囲が汚染しないように配慮した上で、胃・腸・膀胱内の内容物を出していきます。

<胃内容物の除去>

患者の顔を横に向けて、膿盆を置き、胃部を抑えて胃内容物を出します。

吸引も一緒に行いながら排出すると効果的です。

<腸・膀胱内の内容物の除去>

腹部に両手を当てて圧迫し、膀胱・腸内容物を出します。

きちんと便器またはオムツを当てて周囲が汚染しないように気をつけましょう。

終末期患者は便秘傾向にあることが多く、この際に摘便をすると意外と便が詰まっていたという事も多いので摘便も一緒に行うようにすると良いです。

全身清拭・口腔内清拭を行う

通常の清拭と同じ順番で全身清拭を行います。

(顔面→頚部→上肢→胸部→腹部→下肢→陰部→背部→臀部)

タオルは温かいものを使用し、捨てても良い患者の家族から預かったタオルを使用するようにしましょう。

洗面器にお湯を張ってしようする場合はエンゼルケア専用の洗面器を使用するようにします。

同じく通常の方法で口腔内の清掃を行います。

痰や血液など貯留物がある場合は吸引で取り除くようにしましょう。

詰め物を行う

分泌物流出予防のために口・鼻・肛門・膣に詰め物を行います。

鑷子で直接脱脂綿を詰めるという方法をとっている病院もあるかもしれませんが…

たま子

私の経験した病院ではエンゼルケアセットを使用していました。

エンゼルケアセットを使用する場合

私の病院で使用していたエンゼルケアセットはセーフティセットアプリケータというセットでした。

セーフティセットアプリケータのセット内容

  • 咽頭用ゼリー
  • 直腸用アプリケータ
  • カテーテル
  • グリセリン
  • 口腔用ゼリー入りカット綿・綿球(耳・鼻孔用)

たま子

セーフティセットはゼリーや綿球があらかじめひとまとめに用意されておりとても便利です。

咽喉用ゼリーの使用方法

気道確保を行い(顎先を挙上する)カテーテルを鼻孔から挿入しゼリーを注入します。

この際口腔内から直接ゼリーを注入する事はしません。

直腸・膣用アプリケータの使用方法

直腸用アプリケータにグリセリンを付着させ、直腸(膣)内に挿入して内筒を全て押し込みます。

口腔内ゼリーや綿球の使用方法

口腔内用ゼリー入りカット綿は頬の落ち込みのある患者に対してしようします。

綿球は鼻や耳などにゼリーを注入した上から挿入します。

参照:エンゼルケア用品セーフティセット

エンゼルケアセットを使用しない場合

エンゼルケアセットを使用しない場合は脱脂綿や青梅綿を詰めて分泌物の流出を予防します。

脱脂綿や青梅綿を詰める順番は場所によって違いますので確認しておきましょう。

脱脂綿や青梅綿を詰める順番

  • 咽喉:脱脂綿→青梅綿→脱脂綿
  • 耳:脱脂綿
  • 肛門膣:脱脂綿→青梅綿

 

脱脂綿吸水性があり水分吸着に優れているのに対して、青梅綿(読み方:おうめわた)は油分があり防水性に優れています。

  • 脱脂綿:吸水性があるため一番最初に詰める
  • 青梅綿:油分を含み水分を弾くため、脱脂綿で吸収した水分を外に逃さないように蓋をする

たま子

口・鼻・耳は人目に触れるため、外観を整える意味で最後に脱脂綿を詰めます。

化粧を行う

エンゼルケア用品として化粧品を用意している病院も多いです。

エンゼルケア化粧品の一例として、セーフティセットメモリーシオンという商品をご紹介します。

たま子

メモリーシオンではファンデーションや眉墨、頬紅、口紅などがセットになっています。

エンゼルケア時の化粧の注意点

ファンデーションの色は手の甲で混ぜて患者さん個人の肌の色に合う色に調整するようにします。

また死者への化粧は濃くなりすぎないように注意し、ナチュラルメイクで行います。

実演動画があったので乗せておきますね↓

 

赤系の口紅を手の甲にとりよく練って耳に塗ると穏やかで安らかな印象になるそうです。

死後は顔の血色が悪くなりますので、色味が足りない箇所は化粧品で補うようにしましょう。

詰め物や化粧が終了し、シーツが汚れている場合はシーツを交換するようにします。

最後に身体を整える

詰め物、化粧などが終了した後に、身体を整えます。

エンゼルケア後の身体の整え方

  • 手は胸で組み、下肢を整える
  • 義歯を入れて口を閉じる
  • 瞼を閉じる(瞼が閉じない場合は小さくした綿を上下眼瞼(瞼と眼球の間)に入れて瞼を閉じるという方法もあります。)
  • オムツを当てて下着を着せて着物を左前に着せて縦結びにする
  • 髪を櫛で整える
  • ベッドサイドと室内を整えて患者の顔に白布をかける

たま子

人生の最後にふさわし装いとなるように丁寧に整えていきましょう。

ストレッチャーで霊安室へ搬送する

霊安室へ移動する際は死者が他の患者の目に触れないように配慮しながら移動を行います。

病棟の扉を閉めて他の患者が廊下に出てこないようにする、廊下に出ている患者がいたら部屋の中に誘導するなど看護師が注意しましょう。

エンゼルケアの注意点

家族とのお別れの時間を大切に

患者の死亡確認が済んでから、エンゼルケアを行う前に、看護師は一度病室から退室し、患者(死者)と家族のお別れの時間を設けます。

明確に何分とは決まってはいませんが、様子を伺い頃合いをみて「死後の処置を始めようと思いますが、よろしいですか?」など声をかけると良いでしょう。

その際に、家族も死後の処置に一緒に参加する事ができる事を説明し、希望があれば家族に死後の処置に参加してもらいましょう。

たま子

ご家族も一緒に体を拭いたり化粧をしたりする事できっと亡くなられた患者(死者)も喜ぶはずですし、最後のよき思い出となるでしょう。

エンゼルケアは死後なるべくすぐに行う

死後硬直が起こってしまうため、エンゼルケアは死後なるべくすぐに行いましょう。

早ければ死後1時間頃から顎硬直が始まってしまいます。

家族とのお別れの時間を設けて、処置の準備をしてその間に他の患者さんとの対応をして…なんてしていると1時間なんてすぐに過ぎてしまいます。

たま子

エンゼルケアを行う際は死後硬直が起こることをきちんと頭の中に入れて、対応が遅くなりすぎないようにしましょう。

葬儀屋の手配を忘れずに

葬儀屋の手配は通常は患者の家族にしてもらうのが一般的です。

しかし、家族は大切な人が亡くなってすぐなので気持ちが動転して忘れてしまっていた…なんて事もあるので、きちんと看護師が声をかけて葬儀屋の手配が済んでいるか確認をしましょう。

家族での手配が無理な場合は病院が提携している葬儀屋があるはずなので、看護師が連絡を取るようにしましょう。

たま子

葬儀屋を依頼してから病院に到着するまでに時間がかかるので、なるべく早めに葬儀屋への連絡をするようにします。

おわりに

エンゼルケアの方法は病院によっても色々と違うかと思いますが、私の知っている範囲でのお話をさせていただきました。

患者さんとのお別れは何度経験しても辛く寂しい物ですが、看護師として最後にできることをしっかりとして送り出してあげたいものですよね。

たま子

今回の生地がエンゼルエアについて知りたい看護師さんたちのお役に立てれば幸いです!

 

日々のお仕事お疲れの看護師さんへ

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最後まで読んで頂き本当にありがとうございました!

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